プロダクトが売り物になりにくくなる未来 | 西野亮廣エンタメ研究所 過去記事 20200626

6月26日(金)

おはようございます。

子供の頃『まんが日本むかし話』のオープニングに出てくる竜に股がった頭の子供を見て、「こんな頭の悪そうな子でも扱えるぐらいなんだから、竜って案外チョロイな」と思っていたキングコング西野です。

さて。

今日は『プロダクト販売から体験販売へ』というテーマでお話ししたいと思います。

これは、全てのサービス提供者が、これから向き合わなければいけないテーマで、後半は「僕なら、こんな感じで転用します」という例も発表したいと思います。

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▼ もう「プロダクト」は売り物にならない

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カッコつけて「プロダクト」とか言ってますが、要するに「生産物」のことです。

僕の場合だと、たとえば『絵本』がそれにあたります。

先日投稿した記事の中で「プロダクト」は売り物にならない」と書かせていただきました。

(※こちら→『薄利多売から脱却せよ!~お金ブロックの話~』20200615)

「低価格、高品質」を追い求めた先に待っているのは【薄利多売戦争】で、そもそも日本は人口減少まっしぐら。

そんな中、「たくさん売らないとサービスが回らない」とは、実にフザけた設計です。

(※「シェアをとる」は理解できます)

お客さんはそのプロダクトの原価および市場価格を知っているので、プロダクトの単価を上げることはなかなか厳しいっす。

今、リーダーに求められているのは「付加価値の創造」で、チームを救ってくれるのは「プロダクト」ではなく「付加価値」の売り上げです。

ハイブランドが、「プロダクト(機能)」を売らずに「ブランド(これを身に付けている私、ドヤ!)」を売っているように。

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「プロダクトは売り物にならない」と言うと、まず最初に職人さんがヘソを曲げます。

「俺達が命をかけて作っているものは価値がないのか!」と。

価値が無いわけではなくて、「クオリティーで差別化を図りにくくなった」ということと、「それに伴って、マネタイズが難しくなった」ということなのですが…ヘソを曲げちゃっている人に対して、「こういうコトだよ」と諭すように喋ってしまうと、かえって逆上してしまうので(「バカにされている」と思っちゃうので)、リーダーは、このへんの匙加減が超大事です。

職人さんがヘソを曲げるだけならまだしも、ヤベエのが、経営者がココに陥っている場合があって(※そういう会社は少なくないっす)、その会社で働くスタッフさんは不幸でしかないです。

おそらくサロンメンバーさんの中にも、「古い社長」に苦しめられている社員さんはいると思います。

解決策としては、「社長に教えてあげる」ではなくて、社長とコミュニケーションを取りまくって(答えが出ている相談をしまくって)、社長が答えに近づいた時に「なるほど!」と相槌をうつ【追込み漁】をしてみてください。

社長が思いついたことにした方が、チームが前に進むのでオススメです。

「プロダクトは売り物にならないよね」というアイドリングトークが済んだところで、今日の本題に入ります。

(※経営者さん必見です)

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▼ 帯広の屋台村から学ぶ

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先日、帯広の屋台村に行きました。

そこには、道路を挟んで2つの屋台村があるのですが、一方の屋台村はお客さんで溢れかえり、もう一方の屋台村は閑散としています。

お客さんで溢れかっている方の屋台村は(本当にめちゃくちゃイイ意味で!)少しオンボロで、建物にツギハギ感があります。

もう一方の、閑散としている方の屋台村は、新しくて、とても綺麗です。

(※どちらも清潔です)

もう、お気づきだと思いますが、夜ご飯に「屋台村」を選ぶ人間は、綺麗な空間を求めていません。

屋台村を選ぶ時、僕らは「雑多な感じ」を求めています。

その時、同席していたのが、たまたま『屋台村仕掛人』で、詳しく話を聞いたところ、屋台村を設計する時の御法度(絶対NG)は「通路をストレートにする」だそうです。

「この先、どうなっているんだろう?」という『見通しの悪さ(路地裏感)』がトレジャーハンティング的なエンタメ性を生んでいて、丁寧に区画整理してしまうと、それらがゴッソリと無くなってしまう。

なので、屋台村を設計する時は、あえて「通路をジグザグにする」そうです。

閑散としていた、もう一方の屋台村の道は見事にストレートでした。

要するに、屋台村が売らなければならないのは「飲食(プロダクト)」ではなくて、「体験(付加価値)」というわけです。

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▼ リサイクルショップの例

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昨日、リサイクルショップを経営されているサロンメンバーのさんのコンサルがありました。

そこで、この話をさせていただいたところ、「そういえば、実は私も…」と面白い話を聞かせてくださいました。

以前、勤められていたお店(これもリサイクルショップ)で、店長の指示に従い、商品を綺麗に並べたところ、店の売り上げが著しく落ちたそうです。

そりゃそうなんです。

今どき、「中古品(プロダクト)」を探すだけなら、メルカリの方が絶対にイイんで。

メルカリネイティブ世代が続々と生まれている時代にリサイクルショップが売らなければならないのは「中古品(プロダクト)」ではなくて、「掘り出し物を探す体験(付加価値)」です。

商品棚を整理すると、楽しみにしていたトレジャーハンティングができなくなっちゃうんですね。

今、「サービスとは何か?」という話をしています。

サービスというのは「無思考に商品棚を片付けること」ではなく、「顧客の本質的なニーズ(ジョブ)に本気で聞き耳を立てる」ということです。

「屋台村を区画整理する」「リサイクルショップを片付ける」という行動は、体験を求めてやってくるお客さんから、むしろサービスを奪ってしまっています。

メチャクチャ不親切なんです。

屋台村やリサイクルショップは、検索を複雑にすることで「体験価値」が生まれているわけで、経営者は、ここを見誤ってはいけない。

BBQ会場にガスコンロを用意することを「サービス」とは呼ばないんです。

さて、西野はこれをどのように転用するのでしょうか?

いよいよ、まとめです。

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▼ リサイクルショップ『プペル』

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僕は兵庫県川西市に『えんとつ町のプペル美術館』を建設する予定なのですが、前々から美術館の「おみやげコーナー」のことが、ずっと引っ掛かっていました。

「おみやげコーナー」で、何も考えずに「おみやげ」を売っていることが、どうも気に入らないんです。

だって、ネットで買えるもん。

そんな矢先、リサイクルショップの話を聞いた西野氏は、すぐに会社の人間に連絡をして、「世界観を統一したリサイクルショップを作ろう! 『えんとつ町のプペル美術館』の隣にゴミ山を作って、ゴミを売るんだ!」と、ほざきます。

『えんとつ町のプペル』でゴミ人間のプペルがゴミ山を漁るシーンがあるのですが、そのゴミ山を再現したリサイクルショップを作ろう!と言うのです。

このリサイクルショップには棚もヘッタクレもなさそうですし、向こうのゴミ(中古品)を手に取るには、梯子で登り降りしなきゃいけないっぽいです。

体験販売に完全に振っちゃうわけですね。

もちろん、並べるゴミ(中古品)は、ネットで事前にやりとりをして、世界観に合ったものだけを買い取らせていただきます。

リサイクルショップ『プペル』の良いところは「仕入れをしなくてもイイ(お客さんが持ち込んでくれた中古品を買う)」ということと、

「粗利が高い」ということと、

「メッチャふざけている」ということです。

(勿論、おみやげも売りますが)おみやげを売るより、一点もののゴミを売っている方が『えんとつ町のプペル美術館』っぽいので、こっちの方向で進めたいと思います。

プロダクトを売っている以上、必ず限界がくるので、今のうちから「付加価値の創造」を進めた方がいいと思います。

考え方としては「プロダクト販売でマネタイズしない」というところから思考をスタートすると、良い打ち手が見つかるのかなぁと思います。

なんか、それなりに参考にしてみてください。

現場からは以上でーす。

【追伸】

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