『仕事を選ぶ基準~“本当の自分”なんていない?~』 #西野亮廣エンタメ研究所 #過去記事 20200515

5月15日(金)

おはようございます。

「ZOOM呑み」の際、話を振られるまで会話に参加しない人達を見て、「この人達がテレビの『ひな段』に出たら、フジモンとザキヤマさんに喰われて終わるだろうな」と思っているキングコング西野です。

さて。

絶対にナイショですが、実はこの度、『Nestlé(ネスレ日本株式会社)』さんから、広告仕事の依頼を受けました。

いわゆる「CMに出演する」というタレント的な仕事ではなくて、「ネスレさんの商品(ネスカフェ ドルチェ グスト)を、どう売っていくか? どう愛してもらうか?」という広告代理店的な仕事です。

ユニークなタレントがいたもんですね。

ま、厳密に言うと『西野亮廣エンタメ研究所』へのオファーです。

「完成品」よりも、「完成させるまでの過程」を面白がるオンラインサロンが広告代理店化するのはとても自然な流れで、大企業の広告をサロンメンバーさん(※場合によっては主婦の方)と一緒に仕掛けていくのは、エンタメとして面白いなぁと思っています。

その一方で…

「お金をいただいたら広告しますよ」という短絡的な判断は、信用の損失に繋がり、結果、自分達の売り上げを落としてしまうことになりかねません。

それもあって、「広告仕事」に関しては人一倍慎重な西野氏です。

一番てっとり早いのは「広告仕事は一切受けません」と決めてしまうことですが、どっこい『キャリオク』さんのように「CMを作ること」がエンタメになっているケースもあります。

なので、

「広告仕事は基本的には受けません」とした上で、「どういう条件であれば受けるのか?」「どういう携わり方をすれば、信用を落とさずに、サロンメンバーと一緒に作れる(遊べる)のか?」を議論した方が良さそうです。

そんなこんなで今日は、『広告』との向き合い方をトコトン掘り下げてみたいと思います。

今日の話は、「人間関係」や「仕事のパートナー選び」にそのまま転用できると思います。

それでは始めます。

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▼ そもそも「本当の自分」なんて存在しない

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「アホの坂田」「お前、アホやなぁ」…

関西では「アホ」は(声のトーン次第で)誉め言葉として使われますが、関東では「アホ」は悪口としてカウントされてしまいます。

高校卒業から2年後に東京で『はねるのトびら』がスタート。

まず最初に躓いたは、この「言葉の壁」でした。

愛情を持って喋っても「言葉がキツい」と煙たがれてしまうのです。

「怖い人」と思われてしまって、なかなか苦労しました。

そこで、明石家さんまサンを研究してみたところ、ゲストの方の話を受ける時に「なるほど。ついつい○○をやっちゃうんだ?」と、語尾を「だ」で終わらせていることに気がつきました。

全国ネットの時のさんまサンは関西弁じゃなかったんです。

「関西弁風」です。

話は少し変わりますが、僕は言葉が通じない国に行くと、腕や肩の動きや、眉毛の動き…つまりリアクションが少し派手になります。

意図的にリアクションを派手にしているわけではなくて、「リアクションを派手にした方が伝わる」という経験を何度か重ねているうちに、ついついそうなったのだと思います。

ついでにいうと、日本にいる時よりも二段階ぐらい性格が明るくなります。

ラオスの村(※ラオス語すら通じない場所)にいる時の西野は、そりゃあもう底抜けに明るいです。

芸歴20年にもなりますが、「変顔」をしたりしますww

言葉だけでなく、性格まで変わっています。

じゃあ、海外にいる時の西野が「嘘をついているか?」というと、そうでもありません。

全国ネットの明石家さんまサンが嘘をついているか?というと、そうでもありません。

これについて、作家の平野啓一郎さんが著書『私とは何か』の中で、【分人主義】という考え方を提唱されています。

【分人主義】とは、「コミュニケーションは他者との共同作業であって、会話の内容や口調、気分など、すべては相互作用の中で決定されていく」という考えです。

つまり、

「同窓会で地元の友達と関西弁でグダグダ喋る西野」も西野で、「日本を牽引する起業家達と丁々発止の議論をする西野」も西野で、そこに「本当の自分」という中心はない、と。

「自分」は他者との共同作業によって誕生するものなので、共同作業をする相手(コミュニティー)の数だけ「自分」がいるわけです。

「本当の自分」は幻想でしかなくて、そんなものをわざわざ作り出すから、そもそも存在しない「本当の自分」と違う自分を出している時に、「これは本当の自分じゃない」というストレスを覚えてしまうというのです。

面白い考え方ですね。

東京進出を果たした関西芸人は、「東京」との共同作業で、言葉も性格も少しマイルドな「自分」を作り出します。

これを受けて、関西のファンが「変わってしまった!」「もっと関西弁を使って!」と騒いだりするのですが、【分人主義】の考えでいうと、この批判はマナー違反です。

Aのコミュニティーにいる西野さんと、Bのコミュニティーにいる西野さんは別人なので、コミュニティーの枠を飛び越えて、西野さんに「首尾一貫」を要求するは少々酷です。

「学校でのキャラを家の中(親の前)でも出せ」と言われたら辛いじゃないですか?

あの感じですww

……「理屈」はスッゲー納得できます。

自分自身、【分人】という考え方で救われる部分もメッチャあります。

頭の中では【分人主義】に大賛成です。

たださ……

他人に対して「首尾一貫して欲しい!」っていう気持ちって、ありません?

関西にいる時と、関東にいる時で、言っていることが違うヤツ、ちょっと嫌じゃね??

僕は、若干、気持ち悪いと思っちゃいます。

この場合、関東で撮っている番組が関西に流れていることがそもそも問題なんだと思います。

どうやら、コミュニティーの枠を跨いでしまうと、いろいろと摩擦が起きてしまうようです。

…すみません。いいかげん『広告』の話をしますね。

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▼ コミュニティーの「一致点」を探せ

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昨夜いろいろと考えていたのですが、『広告』も【分人主義】の人間関係と似たような感じだなぁと思いました。

これまでタレントのCMというと「ローラ×TBC」みたいな感じで、『企業』『商品』という「様々なコミュニティーが混在する集合体」と盃を交わす感じになっていました。

ところがどうでしょう?

TBCは様々な事業を展開していますが、ローラは、その全てのアクションを支持しているわけではありません。

しかし一度TBCのCMに出演してしまうと、ローラはTBCのあれもこれも肯定しなくちゃいけなくなってしまい、その時、性格の違ういろんなローラが生まれてしまうんですね。

その瞬間、ファンの中に「首尾一貫してない!嘘つきだ!」という不満が発生して、信用が落ちてしまう。

様々なコミュニティーが混在する大きい単位と組んで、「別人」の自分を量産しておいて、「首尾一貫しろ!」と突っ込まれて、信用を落とすのって、そもそもの設計が破綻してるんです。

これ、企業側も問題で、「企業の全て」と組ませることで、タレントの広告効果を落としちゃってるんです。

この問題を解決するには、『企業』という大きい単位で(様々なコミュニティーが混在する集合体と)手を組むのではなく、もう少し単位を細かく割って、「企業のどの部分(どのコミュニティー)と手を組むのか?」を明確にする必要があると思います。

そして、自分を支持してくれる人達に「今回、組んでいるポイント」を説明する必要があると思います。

『キャリオク』を展開しているのは、『(株)ヒューマンキャピタル』さんですが、あれは、芸人からYouTuber&絵本作家に転職したキングコングが、

『(株)ヒューマンキャピタル』の中の、

『キャリオク』の中の、

「自分に合った仕事場で働こう」という【理念】と組ませていただきました。

そこはキングコングが元々発信しているメッセージなので、キングコングからするとCMしている気持ちになっていないんですよね。

なので、キングコングの活動が続く限り、YouTube上に動画で残っている『キャリオク』のCM効果が続く。

先日、梶原君のことを糞味噌にバカにした動画(https://youtu.be/V0EnKBy6cCk)の備考欄で、キングコングのこと(※「本当はリスペストしているよ」ということ)を知って欲しくて『キャリオク』の動画CMを貼っているのですが、これは別に『(株)ヒューマンキャピタル』さんに頼まれたわけではありません。

「このCMを観てもらったら、もっとキングコングのことを応援してもらえるかも」という僕の下心から、『キャリオク』の動画CMを貼らせて貰っています。

『広告』の良い関係はこれで、もっともっと精度を上げて「手を組むポイント」を細かく割り出すことで、ストレスや嘘を無くす。

これが重要だと思います。

仕事のパートナーを選ぶ時や、恋人や夫婦関係を長く続ける際も、ここの議論が必要だと思います。

さて、Nestléさんとは「どの部分」で手を組めば、どこにもストレスをかけることがなく、皆がハッピーになるのでしょうか?

これこそが今回の宿題です。

今から一生懸命考えます。

「こんなのどうかな?」というアイデアがあれば、また共有しますし、皆様からのアイデアもお待ちしております。

現場からは以上でーす。

【追伸】

サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

 

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