『ギフトの可能性を解説するよ』西野亮廣エンタメ研究所 過去記事20191223

12月23日(月)

仕事をそっちのけで、大忘年会『天才万博』の余興のダンス練習に熱を入れているキングコング西野です。

さて。

今日は、ゴリゴリにマーケティングの話をします。

先週、渋谷にオープンした無料のコーヒー屋さん(本当はグッズショップ)『SHIBUYA FREE COFFEE』について。。

店の運営方法を知っている人は「なんとなく面白そうなことをやっているなぁ」ぐらいで捉えられていると思うのですが、たぶん、『SHIBUYA FREE COFFEE』は多くの人が思っている以上に面白い実験です。

オペレーションを組んでいるスタッフの瀬戸ちゃんから、昨日、一週間のフリーコーヒー(50人にコーヒーを贈れる権)の売上を聞いたところ、『300万円』

という答えが返ってきました。

まだ贈り終えていませんが、一週間で『1万5000杯』のコーヒーが売れたわけですね。

(※グッズの売上は、これとは別にあります)

課題が無いわけではありません。

『SHIBUYA FREE COFFEE』に関しては、「無料でコーヒーを飲むリピーターは生めているが、50人にコーヒーを贈るリピーターが生めているのか? さて、どうする?」というのが今後の課題です。

とはいえ、人件費がほぼ0円(※フリーコーヒーはセルフなんです)の2~3坪のコーヒー屋さんの一週間の売り上げが『300万円』というのは結構な事件だと思います。

近所にスターバックスがあるのですが、一坪あたりの利益率でいうと、『SHIBUYA FREE COFFEE』の圧勝です。

何故、こんな不思議なことが起きているのでしょうか?

起業家および経営者は、この理由を言語化する必要があると思っています。

話は少し飛びますが、現在、少子化問題が想像以上にマズイことになっています。

2018年に生まれた子どもの数は91万8397人で過去最低を更新。

少子化に伴い、日本の人口も減り続けていて、言い換えると『商品を買うお客さんの人数』も減り続けています。

あまり明るいニュースではありませんね。

そんな中、伸び続けている市場があります。

『絵本』と『ランドセル』です。

紙離れ、出版不況、少子化…といったハードルをモロともせず、『絵本』と『ランドセル』の市場は右肩上がりです。

子供の数が減っているのに、子供が利用する商品が売れているのって不思議じゃありません?

こういった不思議に出くわした時、天才マーケター西野は、『SHIBUYA FREE COFFEE』と『絵本』と『ランドセル』の“共通点”を探ったりします。

この3つの共通点は、「『利用者』と『購入者』が別人」ということです。

『SHIBUYA FREE COFFEE』でフリーコーヒーを飲んでいるお客さんは、お金を払っていませんし、

絵本を読む子供も、ランドセルを背負う子供も、お金を払っていません。

お金を払っているのは、他人だったり、親だったり、お爺ちゃんお婆ちゃんだったりです。

これらが売れている【一つ目の理由】として「子供の数(日本の人口)は減っているけど、買う人の数は減っていない」というのがあります。

『SHIBUYA FREE COFFEE』に関しては、購入者のターゲットを「店に来る人」ではなくて、「店に行けない人」にしたことで、2~3坪の店ではありますが、ウン万人が「コーヒーの購入者候補」となりました。

「『利用者』と『購入者』が別人」がベースにありつつ、上にあげた3つには【売上を伸ばした2つ目の理由】がそれぞれ存在します。

『フリーコーヒー』=無料でコーヒーを飲んだ人が、コーヒーを贈ってくれた人にTwitterで御礼を伝えることによって、コーヒーの意味が「飲料」から「コミュニケーションツール」に変わった。

『絵本』=3Gから4Gになり、画像中心の世界になったので、『一枚絵』が武器の“絵”本は情報を拡散しやすくなった。

面白いのは『ランドセル』ですね。

少子化が進んだおかけで、お爺ちゃん&お婆ちゃん(購入者)の孫の数が減り、お婆ちゃん&お婆ちゃんの財布のお金が一点集中できるようになったわけです。

孫が七人の場合と、孫が一人の場合とでは、孫一人の『イベント』の価値が変わってくるわけですね。

昔と違って、今のお爺ちゃん&お婆ちゃんがランドセルを買うのは(基本)一生に一度のイベントなので、結婚式と同じ理屈で単価が上がるわけですね。

事実、2019年のランドセルの平均価格は5万2300円で、10年前から5割も値上がりしたそうです。

子供の数が増えると、ランドセルの値段はここまで上げることはできませんし、場合によっては、ランドセルは「おさがり」で済まされて、そもそも購入されないことも考えられます。

少子化を逆手にとったビジネスが、『ランドセル』です。

こう考えると、暗いニュースが続いている日本にも結構な鉱脈があって、これは世界が逆立ちしてもマネできないことだから、やったもん勝ちだと思います。

『ランドセル』に習うなら、たとえば、『超絶ハイクオリティーの高価格帯の絵本』も可能性としては考えられるわけで、そんなものは「お爺ちゃん&お婆ちゃんがたくさんいて、孫が少ない国」でしか作れないので、『贈り物』文化は、日本の光だなぁと思っています。

現場からは以上でーす。

NISHINO.THEBASE.IN

『SHIBUYA FREE COFFEE』にて50杯分のコーヒーを提供できる権 | おとぎ商店 powered by BASE

 

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